ミニマリスト終活のお墓の考え方

〜「お墓を持たない」という選択肢〜
ミニマリスト終活では、「お墓を建てない」「お墓を管理しないようにしたい」「残された家族に負担をかけたくない」ことを重視する方が多くいます。
では、「お墓を持たない」場合、どのような選択肢があるのか紹介します。

①永代供養墓
【特徴】
寺院や霊園が永続的に供養してくれるお墓です。
合祀墓タイプなら管理費が不要で価格も安くなります。
個別タイプの場合は一定期間後に合祀される形（他の方と一緒に納骨）が一般的となっています。

【メリット】
後継者が不要で家族に負担をかけないので、ミニマリストに多い「負担ゼロ」の考え方に合っています。契約すれば安心して生前整理が行えます。
郵送でやり取りできるところもあるので手続きも行いやすくなっています。

【費用の目安】
合同墓（合祀墓）の場合：3万〜
個別タイプの場合：30万円〜100万円

②樹木葬
【特徴】
墓石を使わずに樹木や草花を墓標（シンボル）とする自然葬で、「自然に還る」というイメージです。
お墓のお手入れの必要がなく、後継者が不要ですので管理がシンプルです。

【メリット】
見た目が美しく、負担も少なく、費用も従来の墓石を建てるお墓と比べると比較的に安めになります。
夫婦用や個別区画があるタイプも多くあります。

【費用の目安】
10万円〜70万円
※個別区画か合同かで費用が変動します。

③海洋散骨
【特徴】
海に遺骨をまく方法で、お墓を持たない最もシンプルな形になります。
法的にも認められていますが、散骨する際には散骨場所など事前に調べる必要があります。
遺骨を粉末化し、海へまくので管理負担もなくなります。自然に還りたいという想いにフィットしています。

【メリット】
とにかくシンプルで、家族に手間がかかりません。都心では費用も手頃となっています。

【費用】
3万円〜20万円
※合同散骨では費用か抑えられる傾向ですが、ご家族の手で海にまく場合など個別チャーター費がかかり、費用が変動します。

④手元供養
【特徴】
遺骨の一部を小さな骨壷やアクセサリーにする事で家に仏壇がなくても供養することができます。
お墓を作らない代わりに「心の在り所」を残すことができます。
仏壇を持たなくても「自由なかたち」で供養できる方法です。

【メリット】
ミニマルな住まいに馴染み、家族が自由な形で想いをつなげられます。
お墓参りに行く必要もありません。

【費用】
2万円〜15万円

〜ミニマリスト終活ならではの「お墓の価値観」〜
お墓の価値観については人それぞれの考え方があります。従来の考え方とミニマリスト終活との違いをわかりやすく表で説明します。

ミニマリスト終活では、「形」よりも「想い」や「生き方」を残すことに価値を見出します。
例えば、
・「自分の存在を自然に返したい」
・「家族に負担をかけたくない」
・「供養はここの中でしてもらえれば十分」
といった考え方です。

〜準備を始めるステップ〜
①理想とする供養の形を考える
→「自然に還りたい」「手を合わせてもらう場が欲しい」など。
②選択肢を比較する
→永代供養、樹木葬、散骨、納骨堂の費用や立地、雰囲気など。
③家族と話し合う
→将来のトラブルを避けるために、想いを共有しておく。
④契約・意思表示
→生前契約書やエンディングノートに残す。

〜ミニマリスト終活のお墓に向くタイプの人〜
・継承者（子供など）に負担をかけたくない人
・自然思考、シンプル思考の人
・都市部でお墓を維持するのが難しい人
・「供養は心で十分」と考える人